さて、治療記に入る前に、「そもそもパンチャカルマって何やねん」と思っている方用に軽く説明をします。
パンチャカルマは「5つの浄化法」という意味のサンスクリット語。
5つの浄化法は下記になります。
・Vamana ヴァマナ(嘔吐療法):主に消化器官から胸・気管支あたりの乱れたカファの排出に有効です。
・Virechana ヴィレチャナ(下剤療法):主に乱れたピッタの排出に有効です。
・Nasyam ナスヤ(点鼻療法):主に頭のエリアの乱れたカファの排出に有効です。
・Basti バスティ(浣腸療法):主に乱れたヴァータの排出に有効です。
・Rakthamokshanam ラクタモークシャナ(瀉血療法):乱れた血液を排出します。
このパンチャカルマを完了するには、最低でも40日間くらいは必要です。なぜなら、それぞれの処置に事前準備期間と、術後処置の期間が必要だからです。
全身の乱れたドーシャを排出する強力な治療法で、現代医療では治療や完治が不可能とされるような難しい慢性疾患や癌なども完治させてしまうケースもあるほど。
なぜなら、アーユルヴェーダの考えではほとんど全ての病気はこのドーシャの乱れだからです。
しかし、誰にでもできるわけではないのがパンチャカルマ。
強力な浄化治療だからこそ、ものすごく体力を使いますので、向き不向きがあります。
最近では「パンチャカルマを受けたい!」という目的で無理矢理にパンチャカルマを体験したり、そういった方達をターゲットにビジネス的にパンチャカルマを販売するクリニックもあるようですが、アーユルヴェーダの病院やドクターも、正直に言ってそのクオリティはピンキリです。
ちゃんと治療をしたいのであれば、信頼できるドクターに確保できる治療期間と、治したい不調や病気、治療後はどのような生活になるのか(すぐに仕事に復帰しなければならないのか、少しゆっくりできるのか)など含めて相談し、そのドクターが出すベストな治療方針に従うことをおすすめします。
さてさて、ざっくりとパンチャカルマの説明が終わったところで、ヴァマナとヴィレチャナには事前準備の期間が必要です。
そしてこれがパンチャカルマで最も重要な期間と言っても過言ではないです。
なぜなら、全身の乱れたドーシャを集めてくる作業だからです。
これがうまくいくかいかないかで、その後の浄化法でどれくらいデトックスできるかが決まってきます。
その準備期間には2種類あって、
ディーパナ:消化力を上げて未消化物を燃焼し、スロータス(体中に巡らされている管)を綺麗にする工程。
スネハパナ:ギーを飲んで身体をオイルで満たし、乱れたドーシャをお腹に集めてくる工程。
私は前回の記事で書いたように、3日間のディーパナ(バターミルクにアシュタチュールなを混ぜたものを飲みました。バターミルクはスロータスを綺麗にする飲み物。アシュタチュールなは消化力アップで有名なお薬です。)期間を経た後に、スネハパナに入りました。
スネハパナは身体が油分で満ちてくるまで行いますが、人によって長さやギーの量が変わります。3日とか、5日とか、7日とか。
ギーの量は通常毎日増えて行きます。例えば、1日目:30ml、2日目:60ml、3日目:90ml、4日目:120ml、5日目150mlといったような具合です。
そしてこのスネハパナは一番辛い期間としても有名。
ギーを飲んだ後とにかく気持ち悪くなったり、ひどい頭痛がしたり、死ぬほどだるくなったりする人もいると周りの体験者から聞いていました。スネハパナ期間中、毎日朝一番にギーを飲みます。そして、ギーが完全に消化できて、お腹が減ってきたお粥を食べます。
ギーは人によっては、そして治療したい症状によっては、朝晩飲むこともあります。
私の友人はいくらギーを飲んでもピンピンしていて、お肌の乾燥が取れなかったので、ギーを夕方も処方されていました。
身体の乾燥が強い人、消化力が強い人なんかはこうなるみたいです。
ドキドキしながら挑んだ私のスネハパナは、結果的に2日で終わりました。
2日目に、気持ち悪くて吐いてしまったのです。(ギーを飲んだ後は元気だったのですが、その後お腹が空いたと思ってお粥を食べたら気持ち悪くなって、お粥を吐いてしまいました。。)
ドクターによると、吐く、ということも身体がもう十分に油分があると拒否しているという反応なので、それ以上飲まなくても良いとのことでした。私的にはせめて、3日は飲みたかったので少し悔しい思いもしつつ、、
次の日にヴィレチャナ療法をすることになりました。
そのことはまた次回の記事で書こうと思います。
それでは、また。
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